伏び維持管理(FCR)
伏び(ふせび)とは、鉄道(線路)の下を横断するように布設されている管路のことです。主に、農業用水の経路が線路によって遮断されてしまわないよう布設されているものです。
鉄道建設当初のものは陶管が用いられている為、土圧や振動、経年劣化によって破損している場合があります。伏びにひび割れなどの破損があると、内部に土砂が流入し、線路陥没の原因になります。
埋設管の補修方法には様々な工法が存在しますが、特殊な状況下にある伏びの専用ライニング工法として研究開発されたのがFCR工法です。
当社はFCR工法協会の一員として、主に九州全域において、伏びの1次調査、しゅんせつ、カメラ調査、補修までをトータルに行っています。
※本動画は、FCR工法協会の許可を受けて転載しております※
https://www.fcr.gr.jp/(FCR工法協会)
FCR工法の概要
FCR工法とは、ライニング材を用いた補修工法です。ライニング材とは、筒状になった分厚いビニールシートのようなものですが、熱で硬化する性質を持っています。
このライニング材を伏びの中に通し、蒸気を送り込んで膨らませながら硬化させ、既設管の中に更生管を作ります。完全に硬化したライング材はかなりの強度を持っており、二度と柔らかい状態に戻ることはありません。
FCR工法の特徴
伏びの特徴は、様々な状況の場所にあることです。平地に限らず、山の中や、大型車が入れない細道の先にあることもあります。つまり、大掛かりな装置が必要な工法では、施工することが不可能です。
また、鉄道下にあるという特殊性から、施工に何日もかかるような工事は行えません。
FCR工法では、そのような問題を解決する下記のような特徴があります。
- カメラ調査に用いるカメラ装置は、車両一体型ではなく、担いで持ち運ぶことも可能な仕様になっています。
- 蒸気を送り込むためのボイラー装置は2t車に架装搭載されており、大型車が入れない場所にも入れます。
- ライニング材は、補修対象の伏びの形状・長さに合わせて成形されたものを用いるため、どのような場所にも持ち運ぶことができます。
- 施工時間が短く、一日で施工を完了することができます。
このような特徴が、伏び専用の工法たるポイントです。